2016年03月14日

コーヒーの熟成のお話。






昨日、妻の実家で飲んだプレスコーヒーが「はっ」とするほど美味しくって、

何だろうと聞くと、ウチでちょうど1カ月前に焙煎したバレンタインブレンドでした。

(保存は室温で密封した状態で悪い酸化はなし)




強い香りがある訳ではないし、

風味そのものは「穏やかな」状態でしたが、

驚いたのは「高級チョコレート感のある素晴らしい旨味」でした。




1カ月という時間の中で熟成されて生まれた風味でした。



普段は焙煎当日から2〜3日の珈琲ばかりを

テイスティングしていると感じられない

「熟成された素晴らしい旨味」に感動したのです。




いつもは「コーヒーは新しいほうが美味しい」と言っていますが、

ちょっと考え直さないといけないかなと思った次第です。




この熟成期間をコーヒー用語で「エージング」と呼びますが、

特にエスプレッソ用の豆に対してはこのエージングを施します。




なぜ、エージングするかと言えば、

焙煎したての珈琲豆には炭酸ガスが多く含まれているから。




エスプレッソではガスが多いと味が出ないという特徴があって

コーヒーが薄く感じられることがある為です。



私たちのお店では「ガスガスしとる」と言います。




そして、もうひとつの目的はエージングで

”アロマオイル”を作る為。






この炭酸ガスは香りの強さと比例しますので

コーヒーの素晴らしい香りを楽しむ為には

この「ガス」も必要なのです。




ドリップコーヒーでは蒸らしの時やお湯を注いだ時に

フワーッと粉が膨らむのがこのガスの仕業で、

粉が膨らまないという事は”ガスが抜けて古い”という証拠。




エスプレッソに比べてドリップコーヒーでは

この炭酸ガスの影響は少ないので新鮮さが重要視され

むしろカップから立ち上るアロマこそが

魅力的で素晴らしい風味だという感じです。





なので一般的な自家焙煎珈琲店では

「新鮮=正義」という構図がほとんどで

EARTH BERRY COFFEEでも基本的にはそうです。








ただし、新鮮な状態(焙煎当日から1週間くらい)では

「熟成された素晴らしい旨味」は楽しむことはできないという

ことになる訳です。





うーーーーん、、。




もったいないですね、、。




しかし「熟成された素晴らしい旨味」が出た時には

新鮮な強い香りやフレーバーやキラキラした酸質は

は弱まってしまいます。





うーーーーん、、。



もったいない、、、。





この「熟成された素晴らしい旨味」の正体は

前述した”アロマオイル”なのですが、

アロマオイルとはコーヒーの中のオイル成分が

コーヒーの香り成分(炭酸ガス)とゆっくりと混じり合い、

オイルに香りが移った熟成された状態のモノを言います。




例えるならば

オリーブオイルでつくるガーリックオイルとか

ごま油でつくるラー油みたいな感じでしょうか。






コーヒー豆の内部でこんな変化が起きるのです。






この”アロマオイル”を最重要視したコーヒーが

イタリアのエスプレッソです。



最低でも14日以上のエージングをかけないと

使わないという徹底ぶりでアロマオイルを楽しむ文化。

それはエスプレッソを美味しく味わいたいという

試行錯誤から生まれた知恵なのかもしれません。





また、ドリップコーヒーではオイル成分を

ろ過してしまうのでアロマオイルから生まれる

「熟成された素晴らしい旨味」は味わいにくい

抽出方法なのかもしれません。




新鮮でフレーバーの強いコーヒー。

熟成された旨味の強いコーヒー。



それぞれ、魅力があって素晴らしいです。





もし、可能であれば

焙煎してから10日前後まではドリップで香りを楽しんで

それ以降はプレスコーヒーでアロマオイルの旨味を楽しむ。



というのがコーヒーをより楽しむ方法なのかもしれません。




皆様もぜひアロマオイルの素晴らしい旨味を体験して下さい。




EARTH BERRY COFFEEでもエスプレッソ・ラテ用の豆では

コーヒー豆は6日以上のエージングでアロマオイルを

味わって頂けるコーヒーをお出ししています。




コーヒーって面白いですね!






posted by アースベリーコーヒー at 15:03| ブログ