2014年02月07日

これが世界一流か。 〜豆記世界編・グアテマラ〜




真夏の南国コスタリカの旅を終え

少し緯度の高いグアテマラへ。




思い返せば。

コスタリカでは4日間でなんと16農園を視察、

買い付け用のコーヒーサンプルのカッピングも

40以上あって目まぐるしいスケジュールでした。





しかし、16もの農園を見て回れるというチャンスは

日本人ならば普通、一生にあるかないか。





そして、全ての農園で、全ての品種のチェリーを

試食した僕は、コーヒーの品種以外にも、

ある物を”見分ける力”が付きました。






それは、良い農園か、悪い農園か。

(悪いというより普通の農園)



農園の立地、環境、標高、風の通り方、

管理の程度、山の様子や木の様子。


そして、清潔さ。





たくさんの農園を見ていると、少しづつ分かってきたのですが

良い農園にはやはり共通する良い雰囲気がありました。




簡単にいうとオーラみたいなものです。




一日に4〜5の農園を見た後に、

「あそこの農園良かったですね」と感想を言うと

「あそこはCOEの常連、世界トップクラスよ」という答え。





16農園回って、正直思い出せない所もあれば、

目を閉じると、はっきり景色が甦る場所もあります。




でもそれはやはり、オーナーの人柄だと思います。

お店もそうですが、農園もやはり人柄が出るんですね。




世界を相手に仕事をして一流になるという事は

どんな仕事においても同じように共通する事があって

それは、トップの人柄(器?)と理念がある事。

そしてそれをスタッフ全員が理解し、同じ方向を向いて、

いつもいつも全力で取り組んでいます。





農園の場合、それは車を降りた瞬間に感じる事もできるし、

直接、話を聞けばもう間違いなく分かります。





何も知らなかった僕がコスタリカでそんな体験をした後に

いよいよ”グアテマラ”へ旅立つ時がやってきました。






グアテマラ。





古代マヤ文明が栄えた土地で14世紀にスペインに征服されてからは

キリスト教とスペイン語が広がりました。




その頃からコーヒーが伝わり栽培も始まりました。




現在も世界で代表的なコーヒーの生産国で、

日本でもおなじみのコーヒーですね。




生産量もコスタリカより遥かに多く作っていて

全てウォッシュド(水洗処理)コーヒーという特徴があります。





品質的に言えばコスタリカも良いですが

グアテマラは世界でも1,2を争うほど

レベルの高いコーヒーを生産していて、

グアテマラCOEに入賞する豆は他の国のCOEの豆に

比べても点数も高く、そして価格も高い!!







そんな世界トップレベルのグアテマラでは

幸運なことに、過去グアテマラCOEで2度も

1位を獲得し、昨年も2位に輝き入賞経験は

数知れないという農園へ連れて行って貰いました。







パレンシアという首都グアテマラシティーから車で

3時間ほどの場所。




標高は1800mクラス。



到着するまでに2400mの山を越えての旅でした。



中四国地方で最高峰の鳥取・大山が1700mですので

どれほど標高が高いかお分かりだと思います。











辿り着いたのは「エル・ソコロ農園」












車で到着した時にもう感じていました。

「ここはきっと素晴らしい。」









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2000m級の山が周りを囲む所で

ちょうど谷になっていて風がよく通ります。





風の谷。




そんなイメージです。








このエル・ソコロ農園は山全体が農園と言うくらいの

広大な敷地で200ヘクタールの農地があります。





農園まで山の中を進むのでこんな車で。

バギーです!





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僕たちがバギーに乗り込み山道を進んでいると

後ろから娘さんがワイルドに追いかけて来てくれます!



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ようやく農園に着いて農園を見た時、

明らかに他と違うコーヒーの木がそこにありました。





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お分かり頂けますか?




コーヒーの葉の色とつや!



ディープグリーンでつやつや光る葉たちは

コーヒーの木が、いかに健康で、健全かの証拠。




新しく植えた木でさえこの色!

超ヘルシーです!!




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この木でさえ2年目!




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普通より成長もはやい!!






次の写真はコスタリカの優良農園の木です。




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ちなみに品種はカトゥーラ。

上のエルソコロの写真も同じカトゥーラです。




同じ品種で標高もさほど差が無いのですが

この違いに僕はすこし戸惑いました。



同じ木に見えない。

なぜ?




そんな問いにオーナーが答えてくれました。





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エルソコロ農園は200ヘクタールという大規模な敷地。




しかし、現在コーヒーの木が植えてあるのは半分以下です。




なぜか。




土を作り、土を休ませています。

具体的に説明すると、エルソコロでは牛の放牧もしていて

空き地になっている所には牛が放し飼い。



数年かけて放牧した場所を整地してコーヒーを植えて行きます。

計算された数年です。

数年かけて牛のフンや自然のバクテリアが共存した状態に

した土地の土壌はとても肥えています。


数年かけて堆肥作りをしているようなものだから。





広大な土地だからこそできる

スケールの大きい発想と経営だと思いませんか?





コスタリカでは土地が狭い為、

ひとつの農園で平均4ヘクタールと小さい。


その為、敷地全体にコーヒーの木がギッシリと

植えられていて木の間隔も狭い所が多かった。



でもそれが当たり前だと思っていました。







農園の敷地の地図を指さしながら

「ここは今、放牧中で2年後にコーヒーにします」

「このあたりは日当たりが良いので、将来にむけて

 じっくり計画を立てています」



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すごい。


これが本物だ。


これが世界一流だ。



そう感じざるを得ませんでした。






そしてこのエルソコロではCOEで優勝する時は

パカマラという高級品種で勝ちます。





息子さんが説明してくれました。

彼もまたプロフェッショナルです。





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パカマラ種の特徴はとにかく大きい!

木も葉もチェリーも豆も!

全てが他よりも1.5倍〜2倍あります。




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そして、チェリーの結着に間隔が大きく空きます。



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これは、コスタリカで見た高級品種ゲイシャと同じ。




1本の木から収穫できる量が極端に少ないのですが

その分、栄養をひとり占めして味が良くなるのが

高級な品種になるんですね。




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そして例によってチェリーを食べてみたら

これが本当に美味しい!!!!



ゲイシャより美味しい!!!



今まで食べてきたチェリーの中で

間違いなく世界一の風味です。




散々チェリーを食べてきたはずなのに

えっ!?

となるくらい驚き感動しました。







バギーに乗って農園を巡っている間に見える

風景は本当に素晴らしかった。





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全ての木が健康。



艶のある葉は光輝いています。




若い木も、

大人の木も全て全て。





コスタリカ編でロイヤーというコーヒーの病気を

紹介したと思います。




ここグアテマラでもロイヤーの被害は甚大。



しかしエルソコロでは全くロイヤーに感染した葉を

見ませんでした。





「ロイヤーは大丈夫?」という質問に

「ここの木は皆、健康だから感染しても

 その木だけで終わり他に移らない。

 そしてここの木は枯れずに残る。」




信じられない回答でした。




木が自然治癒するというのです。



現実にそんな事が起きている農園があったなんて。




そう考えるとここはコーヒーにとって理想郷です。





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木が喜んでいるように見えました。



木が話しかけてくるような気がしました。



「僕たちは幸せだよ!」って。






こんな世界があるんだ。





そう感じて、


心が震えて、


身体が震えました。





生涯忘れられない体験だと思います。




本当に農園全体が輝いているようでした。







そして帰り道、ちょど収穫中のピッカーたちと遭遇。



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お願いしてチェリーを見せて貰うと

本当に綺麗で、真っ赤に熟したチェリーだけを

取っていました。



これほどの摘み取り選別の高いレベルは見たことなく

ここでも一流の仕事が徹底されていることが伺えます。



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そして敷地内にあるウエットミルを見学。



ここもまた清潔で綺麗。



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きちんと収穫されたチェリーも管理されていて

トーレーサビリティも完璧です。





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グアテマラは100%ウォッシュ(水洗処理)なので

大きな水槽があります。






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水槽の中で2日間、水に漬けて残っている

ぬるぬるした果肉を完全に取り除くのです。




華やかで活き活きした酸と、

クリーンで甘いコーヒーになります。






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ここでもイエローカトゥーラ発見!!





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ゲストハウスに帰ると少し肌寒かったので

ホットワインで温まり、ステーキを焼いてもらったり

優雅で豪華な時間を過ごしました。




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世界は広くて、色々な世界がある。






日本では経験した事のない事ばかりで

旅の経験がインスピレーションとなって

新しいアイデアになったりします。



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グアテマラで出逢った世界でも

超一流の農園「エルソコロ」





そこで経験した事はきっと何年か後で、

いや生涯、役に立つと思います。




行けただけでも感謝の気持ちで一杯!




ほんとうにありがたい経験でした。







次回、豆記世界編はいよいよ中米編の最終回!


グアテマラの世界遺産アンティグアを少し観光したり

日本人の友人と現地で会ったり。



農園以外のグアテマラのお話で締めくくりです!




お楽しみに!!











posted by 大地の実 at 18:10| 豆記世界編2014JAN