2014年02月08日

旅する事の意味。 〜豆記世界編・グアテマラ〜





今回も長々と書き綴った旅の事もいよいよ最終回。





皆様、お付き合いいただきまして

ありがとうございました!!









今回の旅で感じた色んな事は農園に行った事だけではなく

他にもたくさん面白い事がありました。





その大きな物のひとつは「人」です。





外国なので景色や環境の変化も面白かったけど

1番面白かったのはそこに住む人間でした!






コスタリカとグアテマラはご存知の通りラテン系です。

まあ、みんな明るい!

そして、おしゃべりです。




僕のように言葉もろくに話せない日本人にも

気さくに声をかけてくれるので嬉しい反面、

ちょっと困る事もあって。

でも、そういうのって楽しいですよね。




グアテマラで案内してくれたエクスポーターは

オルガさんという女性でした。




そして同行したバイヤー曰く、


「コーヒー業界の世界で一番恐ろしい物を知ってる?」


「いいえ?」


「業界じゃ有名だけどね、オルガの長電話」


これは本当に凄かった!!







農園まで車を運転してくれたのですが、

ホテルを出発してすぐにオルガさんの携帯に

電話がかかって来て、それから約3時間!

ずっとしゃべりっぱなし!!



ものすごい悪路を結構なスピードでぶっ飛ばし、

こちらの心配をよそに余裕の片手運転!


たまに、ハンドルから手が弾き飛ばされてましたが。

しかも、仕事の話じゃない(多分)笑



グアテマラで死ぬ、と本気で思いました。






そんなラテンの人達の中でも特別に面白いおっさんがいました。




食事の時に、現地のゲストと一緒に会食する機会が

多くあったのですが、その中でひとり、ものすごく陽気な

農園主がひとり来ていました。




でも何故かエクスポーターから紹介も無いし、

食事の会計も別で払ってたので不思議に思ってたら

その人、日本人バイヤーが来ると知って食事会に

半ば強引に参加した感じ、そしてやたらと明るい!





しかも僕の隣の席に座ったのでもう最高です。




彼の名はカルロス。




カルロスさんはグアテマラのウエウエテナンゴという

有名なエリアにコーヒー農園を持っています。


立派な農園のオーナーで

180cmの身長に100kgのボディに

見事なお腹の持ち主。



このカルロスとオルガさんの掛け合いが

なかなか見ごたえのある物でした。






カルロスはとにかく自分の農園のアピールをします。



 とにかくウチの農園に来てくれ!

 なあアミーゴ明日来てくれ!

 アミーゴが来てくれたらご馳走するぜ!

 はっはっはっはー!

 オルガが来た時は5kgの肉を焼いたよな!




するとオルガさん、苦み走った顔で

 彼はいつもビーフ、ビーフ、ビーフ!

 クレイジーでしょ?



オルガさん実はベジタリアンで肉を食べません。

 オルガはポテトばっかり食うんだぜ!

 クレイジーだろ?



もう、めちゃくちゃです。



それでも、どうしても憎めないキャラのカルロスは

その場を爆笑で盛り上げてみんなを楽しませます。




やたらとお酒を勧めてきたり、

早口のスペイン語で猛烈に話てきますし、

バーベキューの自慢話ばかり。


 俺はいつも5kgの肉を焼くんだ!

 そりゃ、旨いぜ!

 俺はバーベキュー歴20年だ!

 アミーゴが来たら10kgの塊を用意する!




そんな感じで彼も片言の英語をしゃべりながら

なぜか僕に猛アピール!



何の決定権も購買力も無い僕に必死にアピールする

カルロスがちょっぴり可愛そうになって、

オルガさんに彼の農園のコーヒーの話を聞きました。



「オルガさん、彼の農園のコーヒーのサンプルは

 僕たちの滞在中カッピングできますか?」


他の農園主の方は必ず、サンプルを持参してカッピングが

出来るようにようします。

それは当然の事で、海外からバイヤーが来て買い付けの判断基準は

味の品質しかありません。

その日のカッピングの中には彼の農園は無かったので

何気なく聞いた所。


 「ノー!!彼の農園のコーヒーは用意してないわ!」


するわけないじゃんみたいな言い方。

意外な答えだったので、なぜ?と聞くと

オルガさん、チラリとカルロスの方を見た後

僕たちに向かって”英語で”言いました。


 「彼の所のコーヒーは、ライト(軽い)

 ノーリッチ(高級感なし)、ラフ(雑)!」



オルガさんの容赦なく切って捨てるセリフに

カルロスもそれを聞いてちょっと落ち込んだ様子。



可愛そうだなと思ったとたん、

 がはははっ!

 まあ、気にするな!

 あのサンプルはまだ一番摘みだからな!

 セカンドピックのは旨いぜ!
 
 ビーフみたいに旨いぜ!


(コーヒーチェリーは普通一番最初の収穫は

 選定目的なので”一番摘み”は美味しくなく安い)




というセリフを吐きやがるわけです。

それを聞いて僕もなんだか楽しくなってきました。



さらに彼が続けます。

 
 とにかくウチに一度来てくれ!

 もちろん泊ってくれ。3日間くらい!

 夕日が綺麗なんだぜ!

 メシが旨いぜ!

 肉は好きか?毎日食わせてやるぜ!




もう肉の話しかしません。



僕たちはオーバーリアクションでそれに答え


 絶対行くよ!次来た時は。

 サンプル送ってくれよ!

 家族全員で行くけどいい?


とか、もう訳がわからない状態に。



そして会食が終わり別れ際カルロスに言いました。


「カルロスさん、今日はとても楽しかった。

 あなたのコーヒーがCOEに入賞した時は

 僕たちが必ず買いますから頑張って下さい!」



すると、またちょっとだけ落ち込んだ顔を見せた後、


 「必ずウチに来てくれ。良い肉を用意しとくよ!

  また会おうなぁ!アミーゴ!」


懲りずに最後まで肉の話です。


最後は僕も日本語で「また会いましょう」と言うと

がははっと笑ってました。




オルガさんの言葉が甦ります。
 

 彼はビーフ、ビーフ、ビーフ!

 クレイージーでしょ!




本当だねオルガさん。







しかしこのカルロスとの出会いは僕に大いなる

刺激をもたらしました。

彼は日本人バイヤーの会食に何の恐れも無く飛び込んできました。

その姿勢と勇気は清々しく思えました。

シャイな日本人とは全く違います。



セールスの方法は少し間違っていましたが、

彼のコミュニケーション能力の高さと明るさと

人柄は僕たち初対面の日本人ともアミーゴになりました。

彼は農園主として来ましたが僕たちは本当に

彼の農園に行きたくなったし興味を持ちました。

結果としては目的を果たしています。



彼には見習うべき所がたくさんあります。


彼が自分の農園の素晴らしさを語る時の顔!

僕も自分の店を語る時、あんな顔してみたいものです。




世界には色々な人がいて日本に居たら

絶対会えないような素敵な人たちがたくさんいます。




そんな人たちに会えるだけでも

旅する意味があるってもんです。




そんなグアテマラの最終日、半日だけでしたが観光しました。




「世界遺産アンティグア」


有名なのでご存知の方も多いと思います。

14世紀に造られた小さな町全体が世界遺産です。






古い教会の遺跡があったり、

マーケットがあったり。





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実はそんなアンティグアで現地在中の日本人の友人にも

少しだけ会う事も出来ました。

彼等はグアテマラのパナハッツェルという所に

夫婦で住んでいます。

わざわざ片道3時間かけてバスで来てくれました。




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日本からのお土産も持ってきており

頼まれていた日本の薬と一緒に渡せたり、

楽しい時間を過ごせました。




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彼らも旅人です。




グアテマラでは旅人の宿みたいな事や

コーヒーの焙煎などもしていて面白い人たち。




気さくな人柄で誰とでも友達になれるんです。







今回の旅で知る事の出来た事のひとつは、

「本当に良い物」の価値観は世界共通だという事。



それは仕事のクオリティであったり、

情熱や理念みたいな物だったりします。


コーヒーだってそうです。


今まで日本だけで良いとされていた物は

もはや通用しなくなっています。



世界トップのコーヒーは誰が飲んでも美味しい。



世界基準を知ることは自分の軸を作る事です。

小さな枠だけで評価されるものではなく

大きな世界で評価される物こそ本物。





実はそれ「人間性」にも当てはまると思いました。


カルロスや現地在中の友人たちは

世界のみんなと友達になれて人生を楽しんでいる。



世界の誰からもあの人はいい人だと思われる人は

本当に魅力的で本物です。




小さい事ばかり気にしていた自分が小さく思える一方、

周りをみればお手本になる素敵な人ばかり。

幸運です。




旅をしてみて思う事は自分の小ささと無知さ。

でも、それを知るのって本当に楽しい!




コーヒーの本質に少し近づいたように思えますし、

一方で山ほど勉強しなければいけない事も増えました。

近づいたのか、遠のいたのか。





アースベリーとは大地の実という意味です。





僕たちが愛するコーヒーはこの広い地球の中で

本当に面白く素敵な人たちが作っています。




大地の恵みと一緒に

人の気持ちや情熱も栄養にして

コーヒーは大きく、美味しくなります。






アースベリーコーヒーはこれからも

世界を見て行こうと思います。





小さな小さなお店ではありますが、

世界と繋がったお店で在りたいです。




そして皆様と世界を繋ぐお店に成りたいです。





人と、人との繋がりで感じる喜びは、

やはり、世界共通だと思っています。





長々とお付き合い下さいまして

ありがとうございました。




豆記世界編。




今度はどこの国に行こうかなぁ!






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posted by 大地の実 at 19:49| 豆記世界編2014JAN

2014年02月07日

これが世界一流か。 〜豆記世界編・グアテマラ〜




真夏の南国コスタリカの旅を終え

少し緯度の高いグアテマラへ。




思い返せば。

コスタリカでは4日間でなんと16農園を視察、

買い付け用のコーヒーサンプルのカッピングも

40以上あって目まぐるしいスケジュールでした。





しかし、16もの農園を見て回れるというチャンスは

日本人ならば普通、一生にあるかないか。





そして、全ての農園で、全ての品種のチェリーを

試食した僕は、コーヒーの品種以外にも、

ある物を”見分ける力”が付きました。






それは、良い農園か、悪い農園か。

(悪いというより普通の農園)



農園の立地、環境、標高、風の通り方、

管理の程度、山の様子や木の様子。


そして、清潔さ。





たくさんの農園を見ていると、少しづつ分かってきたのですが

良い農園にはやはり共通する良い雰囲気がありました。




簡単にいうとオーラみたいなものです。




一日に4〜5の農園を見た後に、

「あそこの農園良かったですね」と感想を言うと

「あそこはCOEの常連、世界トップクラスよ」という答え。





16農園回って、正直思い出せない所もあれば、

目を閉じると、はっきり景色が甦る場所もあります。




でもそれはやはり、オーナーの人柄だと思います。

お店もそうですが、農園もやはり人柄が出るんですね。




世界を相手に仕事をして一流になるという事は

どんな仕事においても同じように共通する事があって

それは、トップの人柄(器?)と理念がある事。

そしてそれをスタッフ全員が理解し、同じ方向を向いて、

いつもいつも全力で取り組んでいます。





農園の場合、それは車を降りた瞬間に感じる事もできるし、

直接、話を聞けばもう間違いなく分かります。





何も知らなかった僕がコスタリカでそんな体験をした後に

いよいよ”グアテマラ”へ旅立つ時がやってきました。






グアテマラ。





古代マヤ文明が栄えた土地で14世紀にスペインに征服されてからは

キリスト教とスペイン語が広がりました。




その頃からコーヒーが伝わり栽培も始まりました。




現在も世界で代表的なコーヒーの生産国で、

日本でもおなじみのコーヒーですね。




生産量もコスタリカより遥かに多く作っていて

全てウォッシュド(水洗処理)コーヒーという特徴があります。





品質的に言えばコスタリカも良いですが

グアテマラは世界でも1,2を争うほど

レベルの高いコーヒーを生産していて、

グアテマラCOEに入賞する豆は他の国のCOEの豆に

比べても点数も高く、そして価格も高い!!







そんな世界トップレベルのグアテマラでは

幸運なことに、過去グアテマラCOEで2度も

1位を獲得し、昨年も2位に輝き入賞経験は

数知れないという農園へ連れて行って貰いました。







パレンシアという首都グアテマラシティーから車で

3時間ほどの場所。




標高は1800mクラス。



到着するまでに2400mの山を越えての旅でした。



中四国地方で最高峰の鳥取・大山が1700mですので

どれほど標高が高いかお分かりだと思います。











辿り着いたのは「エル・ソコロ農園」












車で到着した時にもう感じていました。

「ここはきっと素晴らしい。」









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2000m級の山が周りを囲む所で

ちょうど谷になっていて風がよく通ります。





風の谷。




そんなイメージです。








このエル・ソコロ農園は山全体が農園と言うくらいの

広大な敷地で200ヘクタールの農地があります。





農園まで山の中を進むのでこんな車で。

バギーです!





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僕たちがバギーに乗り込み山道を進んでいると

後ろから娘さんがワイルドに追いかけて来てくれます!



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ようやく農園に着いて農園を見た時、

明らかに他と違うコーヒーの木がそこにありました。





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お分かり頂けますか?




コーヒーの葉の色とつや!



ディープグリーンでつやつや光る葉たちは

コーヒーの木が、いかに健康で、健全かの証拠。




新しく植えた木でさえこの色!

超ヘルシーです!!




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この木でさえ2年目!




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普通より成長もはやい!!






次の写真はコスタリカの優良農園の木です。




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ちなみに品種はカトゥーラ。

上のエルソコロの写真も同じカトゥーラです。




同じ品種で標高もさほど差が無いのですが

この違いに僕はすこし戸惑いました。



同じ木に見えない。

なぜ?




そんな問いにオーナーが答えてくれました。





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エルソコロ農園は200ヘクタールという大規模な敷地。




しかし、現在コーヒーの木が植えてあるのは半分以下です。




なぜか。




土を作り、土を休ませています。

具体的に説明すると、エルソコロでは牛の放牧もしていて

空き地になっている所には牛が放し飼い。



数年かけて放牧した場所を整地してコーヒーを植えて行きます。

計算された数年です。

数年かけて牛のフンや自然のバクテリアが共存した状態に

した土地の土壌はとても肥えています。


数年かけて堆肥作りをしているようなものだから。





広大な土地だからこそできる

スケールの大きい発想と経営だと思いませんか?





コスタリカでは土地が狭い為、

ひとつの農園で平均4ヘクタールと小さい。


その為、敷地全体にコーヒーの木がギッシリと

植えられていて木の間隔も狭い所が多かった。



でもそれが当たり前だと思っていました。







農園の敷地の地図を指さしながら

「ここは今、放牧中で2年後にコーヒーにします」

「このあたりは日当たりが良いので、将来にむけて

 じっくり計画を立てています」



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すごい。


これが本物だ。


これが世界一流だ。



そう感じざるを得ませんでした。






そしてこのエルソコロではCOEで優勝する時は

パカマラという高級品種で勝ちます。





息子さんが説明してくれました。

彼もまたプロフェッショナルです。





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パカマラ種の特徴はとにかく大きい!

木も葉もチェリーも豆も!

全てが他よりも1.5倍〜2倍あります。




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そして、チェリーの結着に間隔が大きく空きます。



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これは、コスタリカで見た高級品種ゲイシャと同じ。




1本の木から収穫できる量が極端に少ないのですが

その分、栄養をひとり占めして味が良くなるのが

高級な品種になるんですね。




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そして例によってチェリーを食べてみたら

これが本当に美味しい!!!!



ゲイシャより美味しい!!!



今まで食べてきたチェリーの中で

間違いなく世界一の風味です。




散々チェリーを食べてきたはずなのに

えっ!?

となるくらい驚き感動しました。







バギーに乗って農園を巡っている間に見える

風景は本当に素晴らしかった。





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全ての木が健康。



艶のある葉は光輝いています。




若い木も、

大人の木も全て全て。





コスタリカ編でロイヤーというコーヒーの病気を

紹介したと思います。




ここグアテマラでもロイヤーの被害は甚大。



しかしエルソコロでは全くロイヤーに感染した葉を

見ませんでした。





「ロイヤーは大丈夫?」という質問に

「ここの木は皆、健康だから感染しても

 その木だけで終わり他に移らない。

 そしてここの木は枯れずに残る。」




信じられない回答でした。




木が自然治癒するというのです。



現実にそんな事が起きている農園があったなんて。




そう考えるとここはコーヒーにとって理想郷です。





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木が喜んでいるように見えました。



木が話しかけてくるような気がしました。



「僕たちは幸せだよ!」って。






こんな世界があるんだ。





そう感じて、


心が震えて、


身体が震えました。





生涯忘れられない体験だと思います。




本当に農園全体が輝いているようでした。







そして帰り道、ちょど収穫中のピッカーたちと遭遇。



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お願いしてチェリーを見せて貰うと

本当に綺麗で、真っ赤に熟したチェリーだけを

取っていました。



これほどの摘み取り選別の高いレベルは見たことなく

ここでも一流の仕事が徹底されていることが伺えます。



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そして敷地内にあるウエットミルを見学。



ここもまた清潔で綺麗。



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きちんと収穫されたチェリーも管理されていて

トーレーサビリティも完璧です。





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グアテマラは100%ウォッシュ(水洗処理)なので

大きな水槽があります。






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水槽の中で2日間、水に漬けて残っている

ぬるぬるした果肉を完全に取り除くのです。




華やかで活き活きした酸と、

クリーンで甘いコーヒーになります。






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ここでもイエローカトゥーラ発見!!





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ゲストハウスに帰ると少し肌寒かったので

ホットワインで温まり、ステーキを焼いてもらったり

優雅で豪華な時間を過ごしました。




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世界は広くて、色々な世界がある。






日本では経験した事のない事ばかりで

旅の経験がインスピレーションとなって

新しいアイデアになったりします。



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グアテマラで出逢った世界でも

超一流の農園「エルソコロ」





そこで経験した事はきっと何年か後で、

いや生涯、役に立つと思います。




行けただけでも感謝の気持ちで一杯!




ほんとうにありがたい経験でした。







次回、豆記世界編はいよいよ中米編の最終回!


グアテマラの世界遺産アンティグアを少し観光したり

日本人の友人と現地で会ったり。



農園以外のグアテマラのお話で締めくくりです!




お楽しみに!!











posted by 大地の実 at 18:10| 豆記世界編2014JAN

2014年02月06日

コーヒーチェリーの味くらべ。 〜豆記世界編・コスタリカ〜






コーヒーには品種がたくさんあります。





大きく分けると、アラビカ種とロブスタ種があって

アラビカは高品質で、ロブスタは低品質な豆。

(ロブスタはインスタントや安いブレンドの原料になります)




スペシャルティーコーヒーはアラビカ種に限られるのですが、

さらにそのアラビカ種の中に、たくさんの品種があります。



ティピカ、ブルボン、ムンドノーボ、

パカス、マラゴジッペ、パカマラなどなど。





国によってもだいぶ違うのですが

コスタリカでは主にカトゥーラ、カトゥアイ、

ヴィジャサルチ、ゲイシャ、ケニヤSL28などが

植えられています。







ところがこのコーヒーの品種って

焙煎して抽出したコーヒーで風味を見分けるのって

かなり限られた品種だけになります。






例えば、ゲイシャやパカマラ、エチオピア原種は

飲めば品種がわかりますが、その他の多くはその違いが

説明しにくいほどはっきりと差が感じられませんでした。




プロの方でも殆どがそうだと思います。




ブルボンとカトゥアイの区別が付く人は稀でしょう。




ところがどっこい、農園に行くと

これが分かるようになりました!






その一番の違いは、チェリーの味!






コスタリカとグアテマラで訪問した農園の

すべての品種のチェリーの食べつくし検証してみた所、

思った以上に味が違うんです!






そして、僅か10日間の滞在にも関わらず、

最終的には”木”を見ただけで品種が分かるようになり、

野生児か!と自分でも思うほど区別がつくようになったんです。






例えばこの2枚の写真。




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ちょっと分かりにくいですが

上がカトゥーラ、で下がヴィジャサルチ。




上のカトゥーラの新しい葉はグリーンで

ヴィジャのほうはブラウンの新芽がでます。




そしてチェリーの味はカトゥーラが熟したアメリカンチェリーで

ヴィジャサルチはとっても甘い柿のような風味でした。




素人の僕でも食べればすぐに分かったし、

なんとなく品種の特徴も分かりました。





そしてこんな品種も!



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イエローカトゥーラです。



コーヒーと言えば赤いチェリーと言うイメージですが

鮮やかなイエローですね。



この品種も人気があってイエローだけで収穫されて

特別なロットとして売られます。




赤いカトゥーラよりもチェリーが甘い印象でした。








そして、たくさんのコーヒーチェリーを食べ比べして

全部美味しいチェリーでしたが、その中でも

これは美味しい!!と思った物があります。





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他の品種と比べてチェリーの間隔が開いています。




この品種の名前は「ゲイシャ種」



今をときめくコーヒーのダイヤモンドと呼ばれる

超高級品種です。




なぜ高級なのか、この実の付き方を見ただけでも

分かりますが他の品種に比べて少ないのです。



その代り他の品種とは明らかに違った、

とても素晴らしい風味を持ちます。





チェリーの味は、ライチ、マスカット、佐藤錦!!





素晴らしい風味を持つコーヒーは

やっぱりチェリーの風味も特別だった。





当然と言えば当然かもしれません。

でも、今まで日本で井の中の蛙だった僕にとっては

本当に衝撃的で感動の体験でした。





チェリーを食べながら思った事は、

この口の中に広がる、この甘味、この風味を

焙煎に活かせないか。





カトゥーラの味、ブルボンの味、ヴィジャサルチの味

パカマラの味、ゲイシャの味。




何とか忘れないように記憶に刻もうと

バクバクチェリーを食べる日本人。



なんだこいつは。

と思われたに違いありませんが、

僕だって次いつ来れるか分からない身ですので

恥ずかしながらも一生分食べておくつもりで

必死に食べ続けてておりました!!





コーヒーはフルーツだ!!!





産地へ行ってこそ知る事の多さを実感し

なんとも幸せな時間でもありました。





そして、コーヒーチェリーが美味しく育つ農園には

実は他のフルーツがたくさん育っています。




まさにトロピカルフルーツなのですが、

日本では決して味わえないだろうと思われる

このめちゃくちゃ美味いフルーツたち!!





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柑橘類はもちろん、アボガドやバナナは

やはりエチオピアと同じように赤道近くならでは。




そんなトロピカルフルーツのなかでも衝撃的だったのがコレ。



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何か分かります?



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正解は「パッションフルーツ」です!!



食べ方は豪快にふたつに割ります!


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すると中から種?みたいなツブツブがたくさん詰まっていて

これ食べれるの?と思うほど。



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しかし、これが絶品!!!!



種ごとパリパリ食べられるのですが

味はまさにトロピカル!


ライチとマスカットを合わせたような風味で

パッションフルーツを初めて食べた僕は超感動!




3つ4つと止まりませんでした!!




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そして、もうひとつ農園にあったフルーツで

感動したのがコレ!




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天然のブラックベリーです!!




これは本当にびっくりするほどの美味しさ!



すっぱさは一切なく、とにかくスイート!

ベリーなので爽やかな風味はありますが、

こんな美味しいベリーは初めてでした。






後で聞くと、ベリーにも色々種類があって、

みなさんご存知のストロベリーからブルーベリー、

ラズベリーなどたくさん。




そんなベリーの中でも、このブラックベリーは

トップクラスの美味しさなんだそうです。




確かに美味しかった!





このブラックベリーのジャムは

僕史上、生涯最高のジャムでした!!






旅の途中でたくさん出会ったフルーツたち。




もちろんコーヒーチェリーも美味しかったけど

トロピカルフルーツの魅力も凄かった!!





フルーツ目的でも訪れたい国です!!





そしておまけに、現地で食べさせて貰った

美味しいもの達の写真でお別れです。






次回の豆記世界編は、いよいよコスタリカを離れ

「グアテマラ編」へ突入します。





古代マヤ文明の影響が色濃く残るグアテマラ。



そしてグアテマラで訪れたひとつの農園で

僕は生涯忘れられないような感動を覚えました。





これが、世界一流のコーヒー栽培か、、、。




心が震え、身体が震えました。




ぜひお楽しみに!!







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(コスタリカで有名な和食店サクラの寿司、絶品です!)









それではまたお会いしましょう!!











posted by 大地の実 at 18:34| 豆記世界編2014JAN

2014年02月04日

ロイヤー。 〜豆記世界編・コスタリカ〜





今日はちょっとシリアスなお話です。






コスタリカとグアテマラを旅して楽しい思いをたくさんしましたが、

その反面、コーヒーの影と言うべき現実も見る事ができました。





「ロイヤー」というコーヒーの病気があります。




日本ではサビ病と呼ばれているのですが

ロイヤーと言うのがインターナショナルだそうです。





このロイヤーはかなり厄介は病気で、

その昔、インドやセイロン、ジャワという

産地のコーヒーを全滅させた事もあります。







ロイヤーの原因はウィルスです。



このウィルスがコーヒーの木に付着して感染すると

葉っぱがやられます。




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写真はロイヤーに感染したコーヒーの葉。

サビたように変色し、最後には葉が落ちます。

葉が落ちた木には、花が咲かず、実が成りません。





そして最後には、木が枯れます。





このロイヤーの最も厄介な点は”空気感染”する事で

農園を越え、地域を越え、国を越えて拡大します。




特に標高の低い場所から感染して行きます。








2014年現在、このロイヤーが中南米で猛威を降るっています。



ロイヤーに関する記事


中米でコーヒー産業200万人が失業の危機に瀕しています。




昨年2013年、ニカラグアではロイヤーの影響で

国全体のおおよそ半分の40%のコーヒーが壊滅しました。



毎年開催されていたニカラグアのCOEも中止となり

生産者の希望の光が失われつつあります。






コスタリカも他人事ではありません。





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1600m級の標高を誇る、優良農園の周りでも

昨年ロイヤーの被害が出て木が枯れてしまい、

山の地面が剥きだしになっています。





スペシャルティーコーヒーを生産する農園は標高の高い所が

多くて、今までロイヤーを特に意識せずに済んできましたが

昨年と今年は、神経をすり減らしているようです。





2014年2月現在、ニューヨークのコーヒーの取引相場が

ポンド130セントと比較的安値をつけているので、

標高の低い農園でロイヤーにやられた所は廃業する所もあります。







現地の生産者も深刻な大打撃なのですが、

実は我ら日本人にも大きな影響があります。







「農薬」です。







ロイヤーに対抗する唯一の方法は農薬です。

しかも、被害が出てからでは遅いので事前に使用します。





ロイヤーの農薬は強力な効き目があるのですが

成分も強力で農水省の残留農薬基準もかなり厳しい

数値が設定されています。





この農薬検査にひとつでも引っ掛かれば、

日本に輸入されるはずの中米産コーヒーは

全量検査というとてつもない費用と時間を

かける事になります。







そうなると日本への輸入が止まります。








数年前にエチオピアコーヒーがこの問題で3年間輸入が

止まったのをご存知の方もおられると思います。







実は今、中米のコーヒーはギリギリの所にあり、

いつどうなるか分からない状況です。








ロイヤー対策に使う農薬は主に葉に使います。

なのになぜ、果肉を剥き、種である豆の状態で

農薬が検出されるのか。



僕はずっと疑問に思っていたのですが、

木や葉の成長期に農薬を使うと、葉はもちろん、

根から吸収されて種子に蓄積されるそうです。



ただしコーヒーは生で食べません。



必ず高温で焙煎しますし、お湯で抽出するので

基本的には昇華されてほぼ消えてしまいます。



農薬で健康被害が出る事はまず無いです。





がしかし基準は基準。



守られなければならない物であり

厳守すべき事なのです。







こんな風に書くと世界の終わりみたいですね。





でも、本当の事なのです。





しかし、このロイヤーに対抗しようと生産地では

色々な知恵を出し、必死に立ち向かおうとしています。

それは実際に農園を訪れて見ないと分からなかったと思います。








農家の人は本当に頑張っています。







僕がスペシャルティーコーヒーを支持するひとつの理由でも

ありますが、殆どのスペシャルティーコーヒーの農家の人は、

根本的に農薬を使いたくないと考えています。




可能であれば無農薬(オーガニック)を目指しています。

またそれに近い状態で栽培しています。



それは農園の管理や、自然の堆肥作りを見れば分かり、

素晴らしい農園、農家、オーナーは自然と共存することを

本当に望んでいます。




それが結局は「美味しさ」につながり、

結果収入増につながる事を知っているからです。





なので出来るだけ農薬を使わない対策として、

ロイヤーに強いとされている品種を植える事をしています。





コスタリカで訪れた多くの農園では驚くほど新しい品種を

植えていました。



ヴィジャサルチ、ヴィジャロース、ケニヤSL28など。



ヴィジャサルチなどはコスタリカで品種改良された

新しいタイプで病気に強い特性があり急速に増えています。

そして気になったのはケニヤSL28の存在。




とても多くの農園が取り入れていて驚いたのですが、

文字通りアフリカ・ケニヤで栽培されている品種です。



SL28とはスコットランド・ラボラトリー28号の略で

ケニヤは昔イギリス領だった事もありコーヒー事業も

イギリスの管理下にありました。



その当時イギリスで開発された品種で、

ロイヤーに強く風味も良いという特性があり

昨年から注目されています。




まだ、植えられたばかりで収穫されていませんが

この先、希望の光となるかもしれません。





また、コーヒーの木の自然療法という考え方で

木自体を健康にして病気に強くするという事も試されています。



これは少し長期的な考え方ですが、

農園の土自体をもっともっと肥やしてゆき

木を健康に、強くするという取り組みです。



自然のバクテリアや他の植物を共存させて

ロイヤーに感染しても感染がその木だけで終わる。

ということを実現させようとしています。




この計画、僕はコスタリカでは半信半疑で聞いていましたが

後日グアテマラの農園で実際にこの光景を目にし衝撃を受けました。

(この話はまた後日!)




と言う訳で、コーヒー栽培は常に自然との戦いであり

共存の模索でもあります。







今、生産地は本当に危機的状況です。





すでに廃業する農園も出てきていたり、

後継ぎの子供がコーヒー栽培をやめる所も増えています。





この先もしかしたらコーヒーは絶滅するかもしれない。






そんな事を感じた旅でもありました。






でも、まだまだ、健康で被害の無い農園はたくさんあります。

「標高はお金で買えない」という名言がありますが、

本当にその通り!






1500m以上の農園では、まだまだ素晴らしいコーヒーが

栽培されています。




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きっと大丈夫さ!




そう祈らざるをえません。





コーヒーの光と闇。




僕はコーヒーをスペシャルティーコーヒーという

品質重視の視点でずっとコーヒーを見てきましたが、

現実の状況を見てちょっと意識が変わりました。




コーヒーはコーヒー。


同じ物なのです。





それは人も同じ。




ロイヤーの被害がでた農家をどう救うのか。

それぞれの国の力量が問われる時でもあります。





何か出来るものならしたいですが、

それはあまりに無力なのです。






せめて、日本の方にたくさん美味しいコーヒーの事を

知ってもらい、たくさん飲んでもらう事しかできません。





サスティナビリティ(持続可能性)がしきりに叫ばれていますが

やはりそれは現場を知る事から始まると思いました。





そんな中でのアースベリーコーヒーの役割というのも

少し見えてきたと思います。

だって、産地が駄目になったらアースベリーコーヒーも

存続できないからです。




僕たちは一心同体!






課題は多く、困難な事ばかりですが、

明るく前向きなラテンの人たちを見ていると

何だか「きっと大丈夫!」なんて思えました。








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今日も産地では頑張っています!



みんな!頑張れ!!






さて、次回の豆記世界編はコスタリカで出逢った

おいしい食べ物のお話です!



アフリカもそうでしたが赤道付近は

フルーツがとにかく美味しい!!




初めて食べたトロピカルなフルーツたちや

コスタリカで食べた驚きの和食の事など!




お楽しみに!




(明日は愛媛に出張の為、〜豆記世界編〜はお休みします!)







posted by 大地の実 at 17:53| 豆記世界編2014JAN