2016年08月30日

コーヒーに歴史あり、人に歴史あり。〜豆記世界編・ブラジルその5〜






今から289年も昔、

日本では江戸時代の真っただ中に

ブラジルにコーヒーが伝わりました。






元々、エチオピアが原産のコーヒーが

世界中に伝わってゆく過程は、

ヨーロッパの植民地政策がその理由です。




当時「コーヒー」は今では考えられないほどの

貴重品でした。(宝石並み)




コーヒーを保有する国は

諸外国にコーヒーの種の輸出禁止。



徹底して利権を守ろうとしていましたが、

数奇な運命を経てブラジルにもコーヒーが

伝わったのです。



==以下、UCCコーヒーのWEB参照===


ブラジルに初めてコーヒーの木が持ち込まれたのは1727年、ポルトガル沿岸警備中尉フランシス・デ・メロ・パルヘッタによるものです。

……パルヘッタはフランス領ギアナの長官を訪問したとき、新しい飲み物であるコーヒーに目をつけました。ギアナの首都カイエンヌのクロード・トルヴィエ総督夫人に取り入った彼は、コーヒー国外持ち出し禁止の掟があるにもかかわらず、コーヒーの種子と苗木を入手して持ち出すことに成功しました。

いわば、盗みだしたのです。パルヘッタは1000粒以上の種子と5本の苗木を持って、当時ポルトガル領だったアマゾン川河口のパラに帰任しました。

その後、パラでは栽培が小規模ながら行われるようになり、次第にブラジル全土に広がっていきました。



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まるで昼ドラのような

ドロドロした男女の不倫関係から

ブラジルのコーヒーは始まったのです。








さて、僕たちが訪れたモンテアレグレ農園は

来年で100周年を迎えます。





社長のジョゼフランシスコ氏は

42年のコーヒーキャリアだそうで、

業界でも屈指の功労者でもあります。




丁寧に農園の説明をしてくれる

ジョゼフランシスコ氏は本当に

農園の全てを知り尽くしています。




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徹底した現場主義で、

現場のスタッフと同じように

現場のことを知っていました。




これは、大会社の社長として考えた時に、

なかなか出来ることではありません。





この社長の姿を見ているだけで、

モンテアレグレ農園の凄さが伝わります。





この日、広大な農園の敷地内にある、

ジョゼフランシスコ氏のお宅でランチをご馳走になりました。






個人宅なので写真は撮りませんでしたが、

本当に素晴らしいお宅でリゾートホテルのようでした。





そこで、ゆっくりランチを楽しみながら

交わした会話のなかで、

彼の昔話がとても印象的でした。





20年近く昔に、ブラジルのコーヒー関係者達と

ペルーへ視察旅行へ行ったとき、

彼らの車がハイジャックにあったそうなんです。





ブラジル人を乗せた車の前に

銃で武装した強盗が6人立ちはだかりました。





車から降ろされた彼らは

そのまま歩かされながら平原に連れて行かれ

全ての持ち物を取り上げられ服も脱がされ

地面にうつ伏せに寝かされました。




銃を突き付けられながら、

パスポートもお金もすべて奪われ、

人生最大の恐怖に襲われていました。





仲間の数人は暴力を受け血を流しています。






強盗達にペルー語で怒鳴られながら、

もう死ぬかもしれないと覚悟をしたそうです。







ずっと神に祈りを捧げていたと。








目を瞑ったまま一体どれだけの時間が流れたのか、

気が付けば強盗団は去り、ブラジル人だけが残らされたそうです。







生きている。



まだ、生きている。






命が助かったことが不思議だった。






ただ神に感謝した。


と彼は静かに微笑みながら言いました。




その後、ヒッチハイクして助けを求め、

40qほど離れた町の警察に駆け込んだけれども、

現場に取り残された残りのブラジル人の仲間を救出する為に

車を出して助けて欲しいと警察に頼んだところ、

警察からワイロを要求され、悔しくて涙を流した事や、

必死になって大使館に助けを求めた話を聞きました。






なんという修羅場でしょうか。





世界のコーヒー業界には残念ながらこんな話が

たくさんあるんです。




僕たちは言葉もなくただ聞いていました。




本当に穏やかで好々爺らしい

ジョゼフランシスコ氏からは想像もつかない話でした。






近くの農家で採れたという

オーガニックのハチミツがとてもおいしくて、

僕がとても感激してお代わりを貰ったら

自分の息子たちもコレが大好きなんだと、

お土産にひと瓶お土産にくれたり、

ご自身もセスナのパイロットだという話を聞いたり

不思議とまるで昔から知り合いのような感覚で

心地よい食事の時間を過ごしました。






そして、ジョゼフランシスコ氏はこうも言いました。




ブラジルのコーヒーは世界で一番多く生産されているが、

その70%以上は処理施設も乾燥場もない農家が作った

低級品であること。



本当に良いブラジルコーヒーは30%もないこと。




モンテアレグレは本当に良いブラジルコーヒーを

作り続けて行くことがミッションであること。






ブラジルのコーヒーに歴史があるように

そこに住む人たちにも歴史がありました。






日本にいるだけでは、

絶対に分からなかったことです。




僕はコーヒーの仕事をする以上、

一生に一度は行ってみたかったブラジル。




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実際に行ってみて、

そこにある自然や人を知ったとき、

一度じゃなく何度も行きたくなりました。



結局は人なんです。

生き方なんです。




人と人の信頼関係や

繋がりが一番の魅力なんです。



人に生き方があるように

お店にも生き方があると思います。





EARTH BERRY COFFEEは、

数多あるコーヒーの中でも

人と人の繋がりのある

情熱をもって作られる本当においしくて

素晴らしいコーヒーを

皆様にお届けしたいと思います。





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本当においしいブラジルのコーヒーは

「心地よい甘さがあって綺麗なクリーンカップ」です。




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そんな風味のコーヒーにする為に

たくさんの人が今日も笑顔で頑張っています。


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ブラジルのコーヒーは

世界で一番ロマンティックです。




みなさんも、

ぜひそんなコーヒーを楽しんでください。




そう、人生を楽しむようにね。



さあ、コーヒーと人生を楽しもう!!




〜完〜




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posted by 大地の実 at 21:08| 豆記世界編2016AUG

2016年08月23日

ブラジルコーヒーの王道。〜豆記世界編・ブラジルその4〜




ブラジルの旅もいよいよ後半を迎え、

デュトラ農園に分かれを告げてから

車で移動すること10時間、、、。

(とにかくブラジルは広かった!!泣)




ミナスジュライスにあるモンテアレグレ農園に到着した。

実は車で移動しながら、運転手さんのナビを見ると、

既に到着していると表示されていて、??と思っていたら、

なんとこのモンテアレグレ農園の広さは18000ヘクタール。

東京ドーム2800個分という僕の想像を遥かに超えるスケール。




もう着いていました。笑




このモンテアレグレ農園はブラジル屈指の大農園であり、

高品質なコーヒーを生産する名門中の名門なのです。



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看板には日本語も。







訪れた8月は収穫のほとんどが終わっていて、

ちょうど乾燥工程に入っていて、初めて見る僕にとっては

とても良いタイミングだった。

(5.6.7月が収穫期)





広大な農園を案内して下さったのが、

オーナーのジョゼフランシスコ氏。



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この方、ブラジルのコーヒー業界では

いわるゆ「とても偉い人」で

正直、僕のような人間が会えるような方ではないのですが、

そこは日本を代表するバイヤー、糸井優子さんの

七光りでこんな写真も頂きました!





オーナーのジョゼフランシスコ氏に連れられて

美しい農園の風景を堪能したのです。






健康に育ったコーヒーの木たち。

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モンテアレグレとは「栄光の山」という意味。

その山が写真中央の大きく偉大な山。



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これは黄色く実るイエロームンドノーボという品種。

甘くて人気のあるコーヒーです。


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大農園らしい、巨大な処理場!

こんな感じの施設が2〜3か所あります。



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最後の収穫を終えたトラックがチェリーを満載にして

集荷場に次々と到着。


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最初はこんな感じに、葉や枝、

未熟も完熟も混じっている。


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これがコンベアーで運ばれて、

水の比重選別機にかけられて、

完熟チェリーとその他に分けられる。


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重いチェリーは完熟。

軽いチェリーは未熟。

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ドラムで回転させて

さらに比重選別をする。


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すると、写真のように4段階に

綺麗に選別されます。


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選別された欠点豆たち。


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そして完熟チェリーが残りました!


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チェリーの果肉を剥いてつくる

パルプドナチュラルもこんな感じから。


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選別機を通って行くとこんな綺麗に!


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選別された完熟チェリーは

風味も良く、甘みもあり、クリーンな味わい!


選別された未熟などの豆は安い価格の国内ようや

インスタント用などの原料に回されます。





天日乾燥させるパティオは

サッカー場が2〜3個入るような敷地。


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苗床用の大きなプラントでは

次世代を担うコーヒーの赤ちゃんが生まれています。

とてもかわいい。



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地平線の向こう側まで続く、

広大なモンテアレグレ。


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この敷地から生産されるコーヒーの量は

半端な量じゃありません。






しかし、農園すべてのコーヒーの木の本数、

品種や収穫時期、収穫量は全て把握されています。




これは本当に凄い。




そして膨大な量をチェリーを徹底的に選別して、

良いチェリーと悪いチェリーに分ける技術こそ、

モンテアレグレの底力の凄さだと感じました。



スタンダード(標準)のレベルが高すぎる!!





どこの施設も清潔でゴミひとつ落ちておらず、

正確に管理されたコーヒーはキチンと保管されて

とても良い状態で保存されています。







30年前だったら考えられないくらいの

ブラジルコーヒーの進化なのです。





ブラジルは世界最大のコーヒー生産国ですが、

その70%以上は、処理場や乾燥場を持たない

中小規模の農園がつくったナチュラル(果肉乾燥)


それは、収穫から処理まで、何日も経った物も多く、

いつ、どこで、だれが作ったコーヒーか分からないまま

完熟も未熟もすべて混ぜ込まれ、作られています。




粒の大きさで等級を付けますが、

美味しさの等級ではありません。






ブラジルのコーヒーで高品質な物は、

残りの30%以下なのです。





実はとても少ない貴重なコーヒー。






モンテアレグレ農園はその数少ない

ブラジルの王道と言える素晴らしいコーヒーを作ります。






その人気は世界中に広がっていて、

主にヨーロッパ系でエスプレッソベースにつかう

スペシャルティコーヒーのお店がとても多い。




モンテアレグレのコーヒーは

世界でも有数のコーヒーなのです。




初めてブラジルを訪れた僕にとって、

あまりに衝撃的なほどスケールの大きさと

素晴らしい品質管理に感動を覚えました。




これは、ひとえにオーナーの

ジョゼフランシスコ氏の経営手腕だと思います。




本当に素晴らしい経営者です。

心から尊敬してしまいました。




今回のモンテアレグレでは、

そのジョゼフランシスコ氏との会話も

とても印象的な事が多く、同じ時間を

共有できた事が夢のようでした。



その話は、次回にしたいと思います。



また、ごらんください。


つづく。



posted by 大地の実 at 20:07| 豆記世界編2016AUG

2016年08月12日

新しいブラジルのコーヒーかたち 〜豆記世界編・ブラジルその3〜







フォルミゴスの襲来から一夜明けた朝は

まるで何もなかったように穏やかで、

8月の冬らしい寒い空気に包まれていた。





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デュトラ農園の中を色々と案内してもらう道すがら、

ふとある事に気が付いた。




コーヒーチェリーの色や形、

実の付き方が様々なのだ。



これは品種が違うのである。





あまりの品種の多さに、

いったい何種類の品種を栽培してるのか

オーナーに聞いてみたところ

驚きの答えが返ってきた。




16種類。




こんなにたくさんの品種を栽培している

ブラジルのコーヒー農園は他にあるのだろうか?





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真っ赤に熟して行くレッドカトゥアイ。





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枝にたっぷりと実をつけるムンドノーボ。




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黄色く熟すイエローカトゥアイやイエロームンドノーボ。




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オーナーが自信をもって紹介してくれた品種は

なんと紫(バイオレット)に熟してゆくカトゥカイ785。



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このカトゥカイ785は非常に糖度が高くて

チェリーを食べてみるとブドウのような甘み。




コーヒーチェリーは品種によって

チェリーの味が全然ちがう。




カトゥーラやムンドノーボは甘柿やイチジク系の味。



インディアは甘くて少しスパイシーな味。


パカマラはライチ系の味。





シンプルに考えてみれば当然の事なのだが、

コーヒー農園に行く前は想像もできなかったことだ。




僕はこのチェリーの味を良く憶えておこうと

産地に行くときは必死に記憶するようにしている。





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このチェリーの味こそ、

コーヒーの甘いフルーツ感に繋がるのだ。




このチェリーの味を知れば、

焙煎の考え方そのものが変わるのだ。






一応その種類を書き残しておくと

レッドムンドノーボ、イエロームンドノーボ、

カツアイ、イエローカツアイ、ブルボン、イカトゥ、

オバターノ、パカマラ、ウーバ、カトゥアイ385

カトゥカイ、イエローカトゥカイ、オイラス、

インディアSL795、マラカツ、そしてゲイシャ。





最後のゲイシャに気が付かれた方は

なかなかのコーヒー通かもしれない。






そう、あの超高級品種ゲイシャを

なんとブラジルでも栽培が始まっていた。




ゲイシャと聞いて驚く我々に気分を良くした

デュトラさんたちは意気揚々とゲイシャが植えられている

標高の高いエリアまで連れて行ってくれた。








ゲイシャの話をする時のデュトラ兄弟のお兄さんは

これまで見たことないほど活き活きしており、

目が$$$になっていたのは言うまでもない。

(弟さんは素朴で真面目な人)





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種はメキシコから盗んできたぜ!

という軽快なブラジリアンジョークも飛び出し、

将来のドル箱に夢を見る陽気なブラジル人だ。



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ちなみに、

このお兄さんと毎晩宴会である。

この人は無類の酒好きで、ゲストを理由に

毎晩最高のビールやワインやウイスキーを

振る舞ってくれて本当に仲良くなった。



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彼は今でこそ良きパパで愛妻家だが

若い時は毎週違うガールフレンドを

家に連れ込むという雄ライオンだったらしい。



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酒が進むと、チラリとその片鱗が見えて

面白しろかった。



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話を戻そう。




そして、こちらが入植1年目のゲイシャの若木のあるエリア。



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こちらがまだ膝丈にも達さないかわいいゲイシャたち。



1年目の小さな木が、実を付けるのは

これからまだ3〜4年後のことだ。



ブラジルのゲイシャ。


楽しみがまた一つふえた。





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そして、コーヒーの若木は直射日光に弱く、

シェードツリー(日よけの植物)として

こちらの言葉でサマンバイアが一緒に植えられる。


日本で言うシダで、

みなさんもよくご存じのワラビである。

(ブラジルの人は食べないらしい)






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ゲイシャとワラビの共存する不思議な風景を眺めていると

少し離れた場所から騒がしい声が聞こえてきた。





様子をみると、

若き通訳のジェームズ(18)とオーナーのデュトラさんたちが

大笑いしているではないか。




いったい、どうしたのか聞いてみると、

通訳のジェームズは今日ゲイシャを初めて見たらしく、

なんとサマンバイア(シダ)の方がゲイシャと勘違いして

「なんて珍しい木なんだ!」

「ゲイシャの木はシャープでアメージングだ!」

という、一生いじられる事間違いなしの発言をしたのだ。




ジェームズは顔を真っ赤にして、

 忘れて下さい!!

 お願いしマス!忘れて!!!

 ああ、神様!!死にたい!!!



と自らの取り返しのつかない失言を悔いたが

時すでに遅しである。



その日の夜の宴会では、

当然、大盛り上がりで、いじりにいじられ、

前日のフォルミゴス事件と一緒に

サマンバイア事件としてデュトラ農園の

歴史の1ページに刻まれていった。



僕がMrラパぺ(足を洗う)

そしてジェームズがMrサマンバイア(ワラビ)となった。



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もちろん彼はデュトラのスタッフなので

これから先も、いじられるのだが。





そんなこんなで、

デュトラ農園では今までのブラジルコーヒーとは

全く違う新しいコーヒー作りに挑戦していた。





このデュトラは標高1100m〜1300mと

ブラジルの中では標高が高い。



当然、気温に寒暖差が出て、

良質で高品質なコーヒーができる。




コーヒー生産者の中では有名な合言葉で、

「標高は金で買えない」というのがあるが、

まさにその通りなのである。



標高の高い農園を持つ事は

神様に選ばれたと同じなのだ。




彼らはすでに神に祝福されている。



にも関わらず「努力と挑戦」を続けている。


これは、彼らのお父さんの影響だ。





彼らのお父さんはブラジル人には珍しく(笑)

とても真面目な人だったそうだ。



とにかく働く事を美徳として

お金がたまると贅沢せずに

土地を買って農園を広げた。




そしてブラジル人が全員夢中になる

カーニバルの日もコーヒーを植えたそうだ。



いつもボロを着て土に汚れていたそうだ。



デュトラ兄弟は、時に反発もした時期もあったけど

とてもお父さんを尊敬していて、今もそのスピリッツを

守り続けている。




良いコーヒーを作る。

家族を大切にする。





愚直なまでに誠実にコーヒーを作り、

時代が高品質(スペシャルティ)を望めば

研究し実践し改善を繰り返している。



それでもデュトラで栽培されるコーヒーの

10%しかスペシャルティーグレードは取れない。



もしそれが20%まで増産できるようになった時

ブラジルのコーヒーの歴史に

デュトラが名を刻む事も不可能ではない。




ここは、そんな可能性を秘めている

素敵で素晴らしい農園なのである。





彼らの作るコーヒーは「甘く透明で明るい。」



本当に美味しいコーヒーなのである。




もっとたくさんの人に知ってもらって、

もっとたくさんお人に飲んでもらえれば、

きっとデュトラのコーヒーが好きになる人も多いと思う。





最高に素敵な人たちが作った

最高に美味しいコーヒーなのだ。




僕たちはそんなコーヒーを

東広島のみなさんにお届けしたいと思っていて

いつも旅をしている。





そしてブラジルの旅は

デュトラ農園に分かれを告げて、

ブラジル屈指の大規模農園である

モンテアレグレ農園へと舞台を移す。




デュトラが世界最高品質を目指して頑張る中小企業ならば

モンテアレグレは東証一部上場企業の大企業だ。





変な例えだが、

初めてゾウ(デュトラ)を見て大きくて驚いていたところに、

突然、巨大なマッコウクジラ(モンテアレグレ)を見たような感覚だ。



この世には

まだこんなでっかいのがいやがるのか!!




そんなお話を次回ではまた。





つづく。


posted by 大地の実 at 15:24| 豆記世界編2016AUG

2016年08月08日

ブラジルの最強生物の洗礼 〜豆記世界編・ブラジルその2〜



8月のブラジルは日本で言う冬になり、

昼間こそ温かいが朝晩はとても冷える。



朝、鳥たちの歌声で目を覚まし、

ベットからテラスへ出てみると

ヒヤリと張りつめた空気が迎えてくれる。


それでも日中は20℃くらいまで上がる。








ブラジルのデュトラ農園には素敵なゲストハウスがあって、

滞在中の3日間はそこに泊めてもらい食事までご馳走になった。




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新築らしいゲストハウスは広くてオシャレ。







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そしてちょうどフェスタ・ジュンナをいう

ブラジルの夏のお祭り期間でもあって

いろんな飾り付けがしてあった。




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そして、コーヒーの生産地に行くときに

いつも楽しみにしていることがフルーツだ。





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必ずと言って良いほどコーヒー農園には

様々なフルーツが一緒に栽培されていて

採りたてのフルーツの盛り合わせや、

100%のフルーツジュース(これが絶品)が

ゲストにふるまわれる。





皆さんは、本物の完熟バナナの味をご存じだろうか?





バナナが木の上で黄色に完熟した味は

緑のままで収穫されて船の上で黄色くなる

日本で売っているバナナとは別次元の美味しさで

木の上で完熟するバナナは日本でいう高級メロンの味がする。




他にマンゴーやパパイヤ、グアバ、パッションフルーツに

メロンに至っては、バナナのレベルを想像して頂ければ

その美味しさをご理解して頂けると思う。




また、日本人には理解できないけれども、

アボガドはブラジルではフルーツの扱いで

その甘み、その風味は、日本では決して

味わえない旨味あふれる”フルーツ”だった。






デュトラでの朝食では、

いつも採りたてのフルーツが食卓に上り、

僕はそのフルーツを存分に味わった。




あまりに良く食べるので

日本人はフルーツを知らないのか?

日本人はカブトムシか?

と思われる程だったと思う。







このフルーツの食べ過ぎが、

この日、この後の悲劇を呼び起こしたのかもしれなかった。




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この日は、デュトラ農園で最も品質の良いコーヒーが

収穫できるエリア「アグアリンパ」を見学させてもらう予定で、

朝食後間もなくTOYOTAの四駆に乗り込んで出発した。

ちなみに、アグアリンパとは「綺麗な水」という意味だ。









農園の中のオフロードを軽快に四駆で駆け上がり、

景色がどんどんと広がってゆくと、

我々の行く手に大きな山が見えてきた。



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写真の中心の山をご覧頂きたい。





車の中で、若い通訳のジェームズ(18)が

「みなさん、今日はあの山に登りましょ。」

と意味不明なことを言ってるので冗談かと思ったら

オーナーのデュトラ兄弟もニコニコと微笑んでいた。







実はこの山、大きな岩で出来ているロックマウンテンで

地元でも有名な観光名所(ハイキング)だった。




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意気揚々と山道を案内されること1時間。








まさに絶景が我々を迎えてくれた。




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広大なブラジルの大地が目の前に広がっていて

見渡す限り、地平線の向こうまでコーヒー農園があった。

しばし言葉を忘れるほど見入ってしまったのは言うまでもない。








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陽気にこんな記念写真を撮っていたまさにその時、

すでに僕は悲劇に襲われていたのだ。






写真を撮り終えてなお風景に心奪われていた時、

急にデュトラさん達やジェームズやバイヤーの優子さんが

僕に向かって叫んだ。





キャー!!!!!


大変だ!!!!!!!


早く靴を脱いで!!!!!!


ヒカル!! カモン!!!!!!!!!


ヒカル!!フォルミゴス!!!!!!!








僕は何が何だか訳が分からず、

おもむろに自分の足元をみて

気を失うかと思った。



僕の右足に数千匹の蟻が群がっていたのだ!



ニューバランスのスニーカーのロゴが見えなくなるほど。

グレーのスニーカーがブラックかと思えるほどに。






皆さんは、ブラジルで最強の生き物は何がご存じだろうか?


アマゾンのアリゲーター?ピラニア?タランチュラ?

猛毒をもつスネーク?獰猛なタイガー?スズメ蜂?



いいえ、違います。



ブラジルで最強の生物は蟻です。




すべての昆虫界の頂点に君臨する蟻は

地球上で唯一、地面に住んでいます。




スズメバチなどの蜂は

蟻の襲撃を恐れて高い場所に巣を作ります。



大型動物も体に毛を生やすのも

蟻からの攻撃を逃れる進化を言われています。





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ブラジルにはこのような蟻塚がいたるところに

当たり前のようにあって蟻が我が物顔で生活している。



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ブラジルの蟻は

現地の人の言葉(ポルトガル語)で

フォルミゴスと呼ばれていて、

数百種類もいるフォルミゴスには

ブラジル人は特別な警戒を示している。




その理由。


奴らは噛むのだ。


フォルミゴスは噛みつき蟻だ。








僕はそのフォルミゴスの巣を足で踏んでしまったのだ。


たった2〜3分の間にフォルミゴス達は僕の足を埋め尽くした。








ヒカル!!!

ハリーアップ(急げ)!!




とにかく巣から足を離し急いで開けた場所まで

走りに走って転げこむように地面に転がって

とにかく靴と靴下を急いではぎ取った。




それだけで、手にもフォルミゴスが這い上がってくる!





ズボンのすその中にもフォルミゴスは這い上がってくる!





僕は必至になってズボンをまくり上げ

足に這っているフォルミゴスを払った。




痛い!



あちこち噛みついている!





足の指の間や、足の裏も。



フォルミゴスはいつまでも這い上がってくる!





裸足のまま、とにかくフォルミゴスの居ない場所まで

ヨタヨタと歩きながら、必死に足を払っていた。






10分くらい経ったころ、

ようやくフォルミゴスの姿は

僕の足から消えた。





デュトラさんやジェームズが

僕の靴下やスニーカーのフォルミゴスを

なんとか取り払ってくれていた。




デュトラさんが言った。


ヒカル。

こいつらは一匹でも残ってると家の中で噛みつくぞ。

すべて取り除こう。


そして、ヒカル。

このフォルミゴスはノーデンジャー(毒はない)。




良かった、、、。




フォルミゴスの中には

猛毒をもつ種類もあって、

噛みつかれると強烈な痛みを伴う

危険な種類もあるそうだ。





幸か不幸か、

僕を襲ったフォルミゴスは

おとなしいタイプのジェントルアンツだった。
(襲い方はハンパないけど)








虫よけスプレーをスニーカーにしてもらい、

靴底や中敷きもすべてひっくり返して

フォルミゴスとの攻防戦は終焉を迎えた。







その夜まで、無数のフォルミゴスに

噛まれた足は痛んだが、翌朝には痛みは引いた。






みんなに心配をかけて、

助けてもらったフォルミゴス事件だったが、

僕は見逃さなかった。






若い通訳のジェームズ(18)は

笑いをこらえていた事を!



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フォルミゴスに襲われている時、

僕は耳の端で捉えていたんだ。

「ン、、オッ、オッ、フォ、フォ!」という

ジェームズの笑い声を。





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ここから僕とジェームズの奇妙な友情が生まれる事になる。





ところでブラジルでは、

フォルミゴスに襲われた時には、

足を洗わなければならない。




フォルミゴスは味方を呼び寄せる危険信号として

臭いがでる液体を口から大量に出す。



その臭いがある限り、

フォルミゴスは戦闘態勢で

いつまでも襲ってくるのだ。



フォルミゴスに襲われて足を洗う事を、

”ラバペ”という。




その言葉(単語)がある事に驚いたのだが、

この日から、僕のあだ名は

Mr,ラバペとなった。

(自分で名乗ったらウケたから)





そして、若き通訳ジェームズは

この後、Mrサマンバイアと呼ばれることになるが

このお話はまた次回。





つづく。




posted by 大地の実 at 15:34| 豆記世界編2016AUG

2016年08月06日

しかし遠いなブラジルは。 〜豆記世界編・ブラジルその1〜


24時間という長い長いフライトを終えて

飛行機から降り、関西国際空港からJRに乗り込むと

まだ朝8時だと言うのに、じっとり汗ばむほど暑かった。



ちょうど夏休みで家族連れや部活へ向かう学生が多くて

賑やかな電車内で僕は大きなスーツケースで汗を浮かべつつ、

窓の外を見ながら日本に帰ってきた事を実感していた。




僕は、昨日まで「冬」の国にいたのだ。



南米ブラジル。




南半球のブラジルの8月は冬なのだ。
(ちなみにリオのカーニバルは真夏の2月)



日本がすっぽり24個分も入るほどの大きな国。



サンバ、フットボール、サルベージャ(ビール)

アマゾン、シュラスコ、そしてコーヒーの国。




日本から一番遠いけど、

どこよりも”日本を感じた”国

ブラジル。



2016年・7月27日から8月5日まで

世界最大のコーヒー生産国ブラジルへ旅してきました。



旅をして、

見たこと、

感じたこと、

出会った人のこと。



そんな事を書き綴ってみたいと思います。





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今回の旅はブラジルの2つのコーヒー農園を訪問する目的だった。




ひとつは、デュトラ農園

そして、モンテアレグレ農園






この2つの農園はコーヒー王国ブラジルの中でも

貴重なスペシャルティコーヒーを作る農園である。




ブラジルは世界一のコーヒー生産国ではあるが、

最高品質(スペシャルティ)のコーヒーは実は少ない。



これはブラジルには山が少なく平原が多いことと、

農園の土地が他国に比べて大ききすぎることがある。



なのでコーヒー関係者の間ではブラジルは

ボリュームだけという意見も多かった。



ところがそんなブラジルコーヒーに

2つのおおきな革命が起きたのだ。



ひとつは15年前からコーヒーチェリーを選別する

専用のマシンが開発されてコーヒーの品質が一気に向上したこと。



もうひとつは、スペシャルティー方式のカッピングが

広く採用されていったこと。


(この事については、またゆっくり詳しく書きたいと思う。)





皆様もご存じのようにブラジルは日本から見ると

地球の反対側(裏側)にあたる。




今回の旅では飛行機でまず大坂の関空から

12時間かけてドイツ・フランクフルトへ。



そこでトランジットで7時間をすごし、

フランクフルトからさらに12時間かけて

サンパウロに到着するというわけだ。



さらにさらに、

サンパウロからブラジル国内線で

2時間かけてべロリゾンチへ。



合計30時間以上の長旅である。






実はフランフルトからの便に

ちょうど開催直前だったリオデジャネイロ五輪に

出場するロシアの新体操とレスリングの選手団と

一緒になるということがあった。
(もちろんエコノミー)
(ちなみに、ビジネスには韓国の選手が数名いた)



新体操の選手はみんな美人でスタイル抜群。

狭い椅子の空間で足を真上に上げてストレッチする

姿には乗客みんなで驚いた。



ただし、レスリングの大型選手は2m近い体格で

椅子に座るのがやっとで足が入りきらないという

まことに気の毒な格好で僕の後ろで眠っていた。





僕の隣には、そんなロシア選手団のお世話係?のような

明るくて気の良いおばさんが座っていて、

しきりに僕に喋りかけてくるので弱ったものだった。




そんな旅の始まりであったが、

僕の胸は躍っていたのは言うまでもない。





ベロリゾンチから車でさらに4時間。(笑)



ようやく到着したのは

ファゼンダ・デュトラ(デュトラ農園)だった。





迎えてくれたのは、兄弟で農園経営をしている

デュトラさん兄弟と若い通訳のジェームズだ。





デュトラ農園は山が3つ分ある広大な敷地で

標高1000m〜1300mとブラジルでは比較的高い場所にある。




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ブラジルのコーヒーの収穫期は5・6・7月なので

ほとんど終わっていたが、標高の一番高い所は成長が

ゆっくりなので、ちょうど収穫期で、さらにその標高が

高い場所はスペシャルティーグレードが収穫される場所だった。





実に幸運な時の訪問だったのである。






栄養が行き届いたコーヒーの木は輝くように繁り、

色鮮やかなコーヒーチェリーをたわわに実を付けていた。




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熟練のピッカー達は、この時期およそ400人いて

完熟したチェリーを見極めて素早く収穫する技術は

圧巻としかいえず、この丁寧で素早い仕事こそが

スペシャルティーコーヒーへの一歩なんだと実感した。



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このエリアは特に良い品質になる場所なので

とても高値で取引されるコーヒーになる為、

見事に赤いチェリーだけを収穫するのである。






チェリーを食べてみると

これまた「甘くて美味しい」のだ!





ブラジルに来ていきなりこんなレベルの高い

コーヒー栽培を目にできて感動する僕だったが、

まさか明日、とんでもないハプニングに襲われるとは

この時は夢にも思ってもなかったのだ。



次の日、僕はブラジルの洗礼を受ける事になる。



つづく





posted by 大地の実 at 16:48| 豆記世界編2016AUG